作品 達磨絵 三浦 浩さん(11期)
11期の三浦浩さんは2006年にさいたま市の公園で開催されていた禅画・達磨絵展を見たことがきっかけで、達磨絵の世界に入って行かれました。
そしてその魅力に憑りつかれて9年、味のある達磨絵を描き続けられています。その一端を紹介します。
ここで紹介する達磨絵は、色紙(273㎜×243㎜)、はがき(148㎜×100㎜)、短冊(364㎜×61㎜)の3種類の用紙に描かれています。寸法比から何に描かれたものかご想像下さい。(達磨絵はマウスカーソルをあてると拡大します。) |
達磨絵を描き始めたのは、私の住むさいたま市の大宮第二公園の梅祭りを見に行った際に、公園内のギャラリーで、開催されていた禅画・達磨絵展がきっかけでした。初老を過ぎた先生が、達磨絵の実演をしながら、展示してある、掛け軸、色紙、短冊、等に書かれた「偈」の説明してくれました。私は、「喫茶去(きっさこ)」という禅語が書かれた達磨絵を買って「喫茶去」の説明を聞きました。
達磨絵は文字通り達磨さんを描いたものですが、古来から、いろいろな達磨が描かれてきています。達磨絵は広くは禅画に含まれるのだろう。禅画となると、布袋、福禄寿、寒山拾得、維摩、などの画や、仙崖、白隠や、中国、日本の禅僧の描いたものなど幅広くあります。
達磨絵自体も味わいがありますが、その絵に添えられている「偈」「讃」等の禅語がなかなかいい。高校時代から仏教哲学に興味を持ち始めて、以来、日本の仏教、釈迦の原始仏典、龍樹などの大乗仏教、禅宗など色々な仏教書を読んできました。
そんなわけで、多少の禅語は禅語録、臨済錄、碧巌録、無門関などを読んで知っていました。しかし、「放下著」、「乾屎橛」、「山中無暦日」、「壺中日月長」、「釣月耕雲」などは初めてで、味わい深い言葉が多くあることを知りました。
展示会の後、先生から、大宮工房館で月2回講習会をやっているとのことで、来てみないかとの誘いがありました。最初は筆も紙も要らないというので、気楽に行ってみました。7,8人の皆さんが先生からいただいたお手本や禅画の本の中から、それぞれのお気に入りを選んで描いている。描き終わった後、先生に修正やらアドバイスを貰う。堅苦しい講義をするわけではなく、自由に描かせてくれる。そんなところが気に入って、入会しました。
2006年に入会し、5年後の2010年に先生が亡くなられた。一時解散しましたが、このままやめてしまうのはもったいないと、有志の仲間5人で再開しました。
現在は、年に一度、会館の展示会に出展するくらいで、あとは、描いたものを知人、友人や小中高の同級生に差し上げて(義理でもらっていただいて)いる。そんなわけで、大した進歩をしていません。まだまだ画き込みが足りませんが、毎回、心を静めて、無心に描いています。
このたび、市川二中同窓会から、同窓会のホームページに達磨絵を載せないかとのお話を頂き、枯れ木も花の賑わいにはなるかと、恥ずかしながらも投稿させていただいた次第です。
達磨絵に書いた偈の意味をいちいち説明すると長くなりますので、ご興味のある方は、Webで検索いただくか、禅語辞典などでお調べ下さい。どれも味わいのある言葉だと思います。
先生は定年後の60歳から亡くなる直前の83歳位まで続けられた。私も喜寿位まで続けられればと思っています。